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日本と台湾の今後〜自民党青年局海外研修

8月20日から24日の日程で、鈴木馨祐青年局長(衆議院議員・神奈川7区)を団長とする全国青年局メンバーによる台湾での海外研修に参加してきました。

4泊5日の日程で訪問し、国家元首である蔡英文総統を皮切りに、日本の国会に相当する立法院の蘇嘉全立法院長、日本の内閣に相当する行政院の頼清徳行政院長(当時)らへの表敬訪問や各地の視察を行われました。

今回の台湾訪問では、普段はなかなか会えなかったり、立ち入れないようなところにもいくことができました。その中で感じた日本と台湾についてレポートします。

具体的な訪問についてはこちらをご覧ください↓
「2年ぶりに台湾で青年局海外研修を実施」(自民党青年局)
http://youth.jimin.jp/news/137988.html

日本と台湾の関係性

現在、台湾を統治しているのは中華民国ですが、日本国と中華民国の間に正式な国交はありません。そのため、日本側は「日本台湾交流協会」、台湾側は「日本台湾関係協会」を通じた非公式折衝により、両国間の実務問題を処理しています。

僕は、今回、自由民主党青年局の台湾訪問団の一員として台湾を訪問しましたが、この自民党青年局による台湾との交流は昭和40年代、日中国交正常化の機運が高まる中、台湾との関係維持を模索する当時の海部俊樹青年局長、小渕恵三青年部長が中国国民党内の青年組織「中国青年反共救国団」の蒋経国主任と会談し、自民党青年局と救国団を窓口として青年交流を活発化することで合意したことがきっかけに続けられています。両国は正式には国交を樹立していないため、政府や党幹事長は正式なパイプを作れません。そうした場合の知恵として党青年局長が党の代表として台湾とのパイプを維持してきたという経緯があります。青年局長の引き継ぎの際の申し送り事項として「台湾との交流はやめるな」というものが存在するらしいです。

正式な国交がない中で交流を続けるための苦肉の策ですが、日台関係はこうしたジレンマの中で成り立っています。

自由と民主という共通の価値観を共有する台湾

台湾訪問時、日本側の代表である鈴木馨祐青年局長が、蔡英文総統をはじめとする台湾の要人との間の会談の中で、幾度となく強調していていたのが、台湾は「自由と民主という共通の価値観を共有するパートナー」という点です。日本統治時代から使われている総統府で行われた蔡総統との会談ではもちろん、行政院長や立法院長との全ての会談の中で鈴木青年局長が繰り返し発言し、台湾側からも同様の表現が随所に見られました。

この発言は、台湾が民主主義国であると日本側の認識を表すとともに、中国を意識した発言であることは間違いないと思います。中国や北朝鮮といった国家が、東アジアの秩序の安定の中で大きな不確定要素である中で、日本と台湾は、人権、法の支配といった普遍的な価値観を持ったパートナーとして、その存在は非常に重要だと感じました。

また、台湾政府の幹部には、米国への留学経験を経ているものが非常に多い印象を受けました。蔡英文総統はコーネル大学のロースクール、頼清徳行政院長(当時)はハーバード大学で学ぶなど海外大出身者がずらりと揃っています。

かつて馬英九が総統になった際、馬英九に批判的だった李登輝でさえも、「米国留学を経験して民主・自由・人権に価値を認めている以上、簡単には中台統一には進まない」と考えていたが、台湾が民主国家として成立しているのは、こうした価値観の中で教育を受けてきた台湾エリートの存在も大きいのでしょう。

何れにせよ、こうした背景のもとで、自由民主的な価値観を共有する日台両国は、戦略的にも重要なパートナーであるという共通理解があることを会談の中で痛感しました。

災害をめぐる日本と台湾

また、日本と台湾の関係の中で欠かせないのが、防災をめぐる協力関係ではないでしょうか。台湾は日本と同じく島国で災害、特に地震による被害が頻発しています。

蔡焜燦氏による著書「台湾と日本精神」の中でも取り上げられているが、1999年の台湾大地震は、2千人を超す死者を出すなど未曾有の被害をもたらしました。

この際、日本は、地震発生後、国際救助隊を派遣し、行方不明者の捜索活動などにあたり、台湾国民からも賞賛を浴びました。日台両国のこうした災害時の援助や支援は、その後も相互に行われており、例えば2011年の東日本大震災の際には、政府機関、民間団体、個人の支援を合計した180億円もの義援金が送られています。

2018年2月に発生し、17人が犠牲となった花蓮地震では、安倍首相の毛筆によるメッセージ「台湾加油」は、「頑張れ」という意味の中文(台湾の国語である中国語繁体字)で「加油」と書かれたことが殊さら台湾の方々の感動を呼びました。民間・芸能界・国家間、様々なレベルで日本人から寄せられた応援が好感を持たれ、こうした相互支援の取り組みの影響もあってか日台交流協会が行なった調査では、「今後台湾が親しくすべき国(地域)はどこか?」との質問で日本は首位になっているほどです。

安全保障をめぐる日本と台湾

日本と台湾が東アジアの中で重要なパートナーであることは前述の通りですが、安全保障上も極めて重要な関係であることは間違いないと思います。それは、両国ともに中国の脅威に向き合っていかなければならないという共通の問題を抱えているためです。

特に台湾にとって強大化する中国の軍事力は、台湾そのものの存在を脅かすほどの脅威です。中国の海洋進出にとって出口とも言える台湾の存在は、日本の安全保障上も重要なのです。

台湾訪問中、中米エルサルバドルが台湾との国交を断絶するというニュースが飛び込んできました。台湾との国交を断絶し、新たに中国と国交を樹立するといいます。こうした出来事はエルサルバドルが初めてではありません。その3ヶ月前には、ドミニカ共和国にも国交を断絶されています。こうした背景には、中国の存在があります。中国が台湾と国交を持つ国々に経済的な支援をする代わりに、台湾との国交断絶を要求しているのです。

エルサルバドルとの国交断絶は、ちょうど蔡英文総統を訪問する当日に飛び込んできた出来事だったため、鈴木馨祐青年局長は会談の中で、「自由で民主主義的な台湾が日本の隣に存在することは日本にとって極めて大事な財産であり、その国際政治における生存空間をなくすような試みは断じて許容することができない」との立場を表明しました。

地政学上、中学に対して弱い立場にあり、危機にさらされている台湾の立場を米国に伝えると共にASEANと連携し、中国に対抗するなど日本が果たすべき役割は非常に大きいでしょう。

日本と台湾が抱える問題

日本と台湾はこれまで述べてきたように重要なパートナーとしての関係を必要とし、また要所で有効的な関係を維持していますが、一方で様々な問題を抱えていることも事実です。

その一つが、台南市における慰安婦像設置問題でしょう。2018年8月14日、台湾南部の台南市の国民党支部の敷地内に、台湾初となる「慰安婦像」が設置さました。除幕式で演説した馬英九前総統は、このことについて日本に対して謝罪を行わない民進党政権を批判しています。慰安婦像が設置されたのは、私有地であり台湾当局の直接の関与は厳しい中で、自民党青年局と台湾要人との会談において、この事実について鈴木馨祐青年局長からは、「日台関係に影を落としかねない」との申し入れをおこわれました。蔡総統から個別の回答はなかったものの、慰安婦像が設置された台南市の市長を勤めた経験のある頼行政院長は、「状況は理解している。台南市民が支持しているわけではない。」と一定の理解を示されました。

もう一つの問題が、日本からの農産物輸入規制問題です。台湾では、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故以降、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県からの食品全般の輸入を規制しています。科学的に安全性はすでに証明されており、このことに関しても鈴木青年局長から規制解除に向けて申し入れがおこなわれました。

台湾国内で、こうした問題が解決に向かわない理由には、「政治問題」として利用されていることがあリマス。慰安婦像の設置は国民党が民進党の批判材料として利用し、食品輸入規制は、蔡総統が就任当初、緩和を模索したが、民進党の反対によって難しくなっているのが現状です。

未来の日台関係

今回の台湾訪問を通して日本と台湾は、歴史的にはもちろん、イデオロギーや外交安全保障、国民同士の交流などの様々な観点から密接な関係であり、戦略的に重要なパートナーであることを再認識しました。。慰安婦像設置問題や農産物輸入問題など見解の相違は存在するものの、日台両国の友好関係を深めることは、東アジア地域の安定と発展に寄与するものであることを願っています。

具体的な訪問についてはこちらをご覧ください↓
「2年ぶりに台湾で青年局海外研修を実施」(自民党青年局)
http://youth.jimin.jp/news/137988.html