プロフィール

溝口 然(みぞぐち・ぜん)

慶應義塾大学法学部政治学科4年

1998年熊本県人吉市生まれ。熊本県立人吉高校卒業後、2017年4月に慶應義塾大学に入学。2016年に高校生向けの教育事業グローカルを立ち上げ、17年に法人化し代表理事に就任。奨学金の設立や教育プログラムの企画運営に取り組んでいました。

活動の主軸である一般社団法人グローカルの歩みや活動については、こちらから

ありがたいことに様々なメディアで取り組みや考えを掲載していただいています。

メディア掲載一覧ありがたいことにこれまで様々なメディアで取り組みや考えを掲載していただきました。このページでは、過去に取り上げられたメディア上での記事な...

私の原点・熊本県人吉市

僕のふるさと、人吉球磨地域は熊本県の南部に位置し、周囲を山々に囲まれた盆地の小さな地域ですが、近年、「日本遺産」に認定されるなど、古い歴史や独自の文化を持つ地域です。僕は、この地域で生まれ、高校卒業までの18年間を過ごしました。

小学校中学校、高校とずっと野球部に所属し、いわゆる野球一筋の高校生だった僕が、現在、一般社団法人グローカルの代表として人吉球磨地域のキャリア教育に関わるようになったきっかけは、高校2年生の時に参加した「ビヨンドトゥモロージャパン未来リーダーズサミット」でした。

東京で開催されたビヨンドトゥモローは、全国各地から高校生が集い、日本や世界の未来について考えるカンファレンスで、過去には小泉進次郎さんや羽生善治さんなど著名なゲストも参加されています。家と学校を往復するだけの生活を送っていた僕にとってこの場での出会いは大きな刺激でした。将来に明確なビジョンと高い志を持った同世代の仲間達、社会の第一線で活躍する社会人との交流を通して、いかに自分が過ごして来た世界が狭いものだったかを痛感しました。

それまでの高校生である僕の日常では、普段から接する人は友達と親と学校の先生くらい。僕は、東京で経験したような刺激溢れる学びの場を地元である人吉でも作っていきたいと考え、中学校からの友人を誘い、活動を始めました。

高校生団体「Glocal Students」設立

友人と二人で立ち上げた「Glocal Students」。グローカルは、「グローバル」と「ローカル」を掛け合わせた造語で、「広い視野を持って、身近なところからアクションをおこしていく」という意味を込めました。

高校生が学校の先生や親以外の、地域の様々な大人と出会うことで、多様なロールモデルに触れる機会を作りたいと県議会議員や、企業経営者、地域活性化に取り組む多くの方々との交流の機会など、高校生が、学校以外の「世の中」と関わる機会を創出してきました。

人吉高校に在学していた溝口が高校の同級生とともにGlocal Studentsとを設立

また、そうした活動を通して生まれたアイデアを、人吉市の「ひとよしアプリ・アイデアコンテスト」に応募したところ、大賞・協賛団体賞を受賞したり、熊本県主催の「熊本県がんばる高校生賞」を知事よりいただいたりするなど、次第に「Glocal Students」の活動に一定の評価をいただけるようになりました。

Glocal Studentsとしての初のイベントを開催

 

熊本県がんばる高校生賞を受賞し、蒲島県知事より表彰を受けました。

人吉球磨の高校生に多様な選択の場を

大学に進学し、東京で生活してみると、これまで過ごしてきた人吉と東京の大きな違いを身をもって痛感しました。都会には様々な機会があります。様々なお店があり、会社があり、専門書がならぶ充実した書店があり、いろいろな人の話を聞き、多くの情報を得ることもできます。

しかし、地方は違います。小さな地方の町、まさしく、自分が生まれ育った人吉球磨にこそ、そんな場がもっと必要じゃないでしょうか。

例えば、東京にとっての東京の大学と、地方にとっての東京の大学。人吉球磨の高校生にとっては、東京の大学というのは遠い世界に見えます。九州の南の地方都市からは、東京は本当に遠いのです。

さらに活動の幅を広げるため、高校卒業目前の2017年2月にGlocal Studentsは、一般社団法人グローカルとして法人化。2018年からは大学がなく、大学へのイメージを抱きにくい人吉球磨地域の高校生が全国の様々な大学の学生と交流し、進路選択の幅を広げてもらおうと「ひとよし球磨プレオープンキャンパス」の開催を始めました。北は北海道から全国各地の大学生16人が人吉に集まり、高校生が疑問や悩みを相談するイベントを毎年開催し、これまでに延べ100人以上の高校生が参加しています。

※開催にあたっては、クラウドファンディングにも挑戦させていただきました。

1人1人が自分なりの選択ができる地域を目指して

進路や将来の選択肢は、知らず知らずのうちに、周囲の環境によって狭まりがちです。親の職業や育った地域、通っている学校によって、自然と「当たり前」が作られてしまいます。その傾向は、都市部よりも地方の方が強いと思います。親の職業だったり、先生の勧めだったり、今の偏差値で入れる大学だったりで、「なんとなく」進路を決めてしまうことが、私の周りでは「当たり前」になっていました。こうした「当たり前を打破」していくためには、自分とは異なる多様なロールモデルに触れたり交流することが必要不可欠です。

高校生の時に感じたこの思いは、今から3年以上前のことになりますが今でも変わることはありません。

一般社団法人グローカルでは、これまで、人吉球磨地域の高校生を中心に、様々な機会の創出を通じて、多様な選択をサポートしてきました。しかし、経済的な事情で「望む進路を選択できない」場合が少なくないことも事実です。いや、かなり大きなことかもしれません。

そこで、2018年からは、一般社団法人グローカルでは奨学金事業に参画することで、情報や機会創出のみならず、金銭的な面でも一助となれるよう取り組んでいます。さらに、多様な価値観からの学びを推進するため、全国屈指の進学校・神奈川県聖光学院と人吉高校の交流も実現しました。

聖光学院との交流についてはこちらから

これからもふるさと人吉球磨が、そこに暮らす高校生にとって「一人一人が自分なりの選択ができる」地域であることを目指して、ささやかではありますが、精一杯頑張っていきたいと考えています。